2016年 09月 30日
酔虎堂劔掃・菜根譚 |
知者不與命闘。不與法闘。不與理闘。不與勢闘。
知者は命と闘わず、法と闘わず、理と闘わず、勢と闘わず
ここでの知者は、知識などの外に在るものではなく、本質を知る者をいう。
命は自分を尽くしても如何ともし難いもの、天命をいう。故にこれと闘うには非ずして、これを受け入れて抱懐し、ひたすら己を尽くせばよい。
法はそこに在っては守るべきところ、法律・法則をいう。ただし、自分にとっての法がそれを超越し、私意なくして人情に適うならば、覚悟を以って為すは是である。法と闘うには非ず、自己の法、国家の法、共に受け入れて己が義を尽せしのみ。
理は自然にして帰するところをいう。人情に帰して情理、道に帰して道理、天に帰して天理という。情理に適えば人々は皆なこれに従う、故に理の帰するところは順であり、順にして治るは自然の道理である。
勢は自然の流れをいう。
勢は節を得ざれば用を為さず。順に非ざれば勢の衰えるは自然の道理なり。故に真の勢は天に適い、真の法も天に適う。
故に楠木正成曰く、「天は明にして私なし」
非は理に勝つこと能はず、理は法に勝つこと能はず、法は権に勝つこと能はず、権は天に勝つこと能はず、天は明にして私なし
by jj111iii2016
| 2016-09-30 15:01
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